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「業界ニュース」の記事一覧(55件)

原油価格の上昇が不動産業に及ぼす影響は?
カテゴリ:業界ニュース  / 投稿日付:2026/07/31 08:54

浜松市中央区のセンチュリー21浜松不動産販売です。

 

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地価情報から法令改正、トレンドなど様々な情報を濃縮してご提供しますので是非ご参考にしてください。

 

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原油価格の上昇が不動産業に及ぼす影響は?

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「原油高」は建築コストや光熱費、入居者の家計まで、不動産業界にとっても幅広い影響を及ぼします。今回はその影響のメカニズムと、賃貸経営や管理における注意点を解説します。

 

戦争終結の覚書は交わされたが…

 

 6月19日、アメリカとイランの間で戦闘終結に向けた了解覚書が署名されました。しかし、その内容が履行されるかどうかまだまだ不透明であり、原油の輸出入がこれまでどおり回復するかは予断を許さず、日本の原油不足への不安は完全には解消されていません。

 財務省が5月21日発表した4月の貿易統計(速報、通関ベース)によると中東からの原油輸入量は384万3,000キロリットルで、前年同月比67.2%減少し(図表)、単月の輸入量としては1979年以降で最低となりました。

 

図表1

 

 

 世界の原油不足による原油価格の高騰は、不動産業にとっても大きな影響があり、原材料費やエネルギーコストの上昇によってハウスメーカーから不動産開発(デベロッパー)、不動産業に関する流通に至るまで、きわめて広範かつ深刻な影響を及ぼします。

 まず、わかりやすい例として「建築原材料費」から見ていきましょう。現代の建築資材には、多数の石油化学製品が用いられています。たとえば、発泡ウレタンやポリスチレンフォームを用いた断熱材、塩ビパイプ、壁紙(クロス)、床材(クッションフロア)、サッシの樹脂部分など、原油を原料とする資材の価格が直撃を受けます。

 また、石油を直接の原料としないセメント、ガラス、鉄鋼、タイルなども、製造工程で大量のエネルギーを消費するため、原油高はそのまま製造コストの上昇につながります。さらに、これら重量のある資材を工場から建築現場へ運ぶトラックの燃料費も跳ね上がるため、物流コストも同時に上昇します。

 このようにして原油高が建築コストを押し上げると、ハウスメーカーは上昇分を販売価格に転嫁せざるを得なくなり、結果として一戸建ても、マンションも価格の高騰を招きます。

 住宅価格の高騰は、人々の住宅購買意欲を削ぎ、買い控えだけでなく、予算に合わせたローコスト住宅へのシフト、あるいは注文住宅から分譲一戸建てへの変更といった「需要の冷え込み」が起こり、ハウスメーカーの粗利率低下や、受注件数の減少へとつながりかねません。

 

家賃滞納リスクの上昇も…

 

 不動産賃貸業者にとっても、新築物件の建設費高騰ばかりでなく、定期的な維持費用や大規模メンテナンス費用にも原油高は大きく影響します。

 また、賃貸物件の入居者にとっても、原油高によってガソリン代や電気・ガス代、その他、食品等の物価などが上がることで、家計を圧迫し、家賃の低い物件への引っ越し需要が増えたり、最悪の場合は家賃滞納リスクが高まったりする懸念も生じます。

 原油価格の上昇がもし今後も続けば、深刻なインフレ懸念を引き起こし、これまで以上に金利が上昇しやすくなります。これによって住宅ローンの金利がさらに上がるようなことがあれば、個人の住宅購買力が落ちるため、長期的には不動産価格全体の下落圧力へとつながりかねません。

 一見、遠い世界の話と思える原油価格上昇のニュースも私たちの生活に直結していますから、世界経済の動向にアンテナを常に張っておくことが必要でしょう。

 

 

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本日は以上となります。

 

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上昇するマンション賃料
カテゴリ:業界ニュース  / 投稿日付:2026/06/26 08:53

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上昇するマンション賃料

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昨今、マンションの賃料が大きく上昇しています。2026年3月23日に、アットホームと三井住友トラスト基礎研究所が公表した、賃貸マンションの成約事例に基づく「マンション賃料インデックス(2025年第4四半期)」からその実情をみてみましょう。

 

全体的に賃料は上昇傾向にある

 

 まずマンション賃料インデックスについて説明しておくと、これはアットホーム㈱と㈱三井住友トラスト基礎研究所が共同で開発した賃料インデックスで、アットホームが蓄積しているマンションの成約事例に基づいて作成しており、成約賃料をヘドニックアプローチという統計的手法で品質調整し、四半期ごとの指数を算出したものをアットホームラボ㈱が編集協力しアットホームより公表しているものです。

 この成約した賃貸マンションの賃料の前年同期比を見ると、首都圏と地方の主要大都市は2~6%の上昇となりました(図表1)。その中身を詳細に見ていくと、全体の賃料が上昇していることに加え、以下の3つの傾向があることに気づきます。

 

 

図表1

 

 

①ファミリータイプの賃料上昇が顕著であること

②大阪市・福岡市等も大きく上昇していること

③賃料上昇が大都市圏の周辺地域にまで広がっていること

 

 ①について補足すると、マンション賃料インデックスは、都市別に加えてシングルタイプ(18㎡以上30㎡未満)~ファミリータイプ(60㎡以上100㎡未満)というように、タイプ別でも算出されているのですが、このうちファミリータイプの賃料上昇が、シングルタイプやコンパクトタイプに比べて顕著でした(図表2)。理由は供給制約です。

 賃貸マンションの場合、そもそもファミリータイプは物件数そのものが少ないという傾向があります。賃貸で出される物件の多くは、分譲マンションを買って、それを貸し出すケースですが、分譲マンションの価格が大きく上昇したため、買い控えが生じており、それがファミリータイプの賃料を押し上げました。

 次に②の大阪市・福岡市等も大きく上昇していることについてですが、これに共通していえるのは、両者とも人口流入が堅調である半面、マンションの供給がまったく追いついておらず、それが賃料を押し上げているということです。大阪市は、調査時点の昨年10月には大阪万博は幕を閉じていますが、万博の影響で観光客が増えており、なかにはホテルではなく賃貸マンションで長期滞在をする外国人もいて、マンション不足が顕在化しました。また福岡市は、そもそも街のエリアが小規模であることから、賃貸マンションの物件数そのものが少ないため、賃料の上昇を加速させた面があります。

 ③の周辺地域への影響ですが、たとえば東京エリアで見ると、東京23区の前年同期比が16.18%の上昇であるのに対し、横浜市や川崎市が11.17%の上昇と、東京23区に近いほどの上昇を見せました。いうまでもなく、東京23区の賃料上昇が著しいため、少しでもコストを抑えようとして、周辺地域の賃貸マンションを狙う人が増えたからと考えられます。

 

 

図表2

 

 

手取り賃金の4割が賃料の限界といわれる

 

 こうした動向から今後の賃料動向を推察すると、おそらく簡単に下がることにはならないと見ています。

 まず需給で考えると、今後もしばらくマンションの供給不足は続くでしょう。その理由は2つあり、1つ目は建築費の高騰です。材料費や人件費が上昇しており、その傾向は当面続くと見ています。2つ目は適地不足です。特に東京23区内においては、新しいマンションを建設したくてもできないという状況にあります。この2つの供給制約要因はそう簡単に解消するとは思えず、需要に応じた賃貸マンション供給は、きわめて困難です。

 それに加えて、一般的に家賃は「賃料の粘着性」が高いといわれていて、なかなか引き上げられにくく、借り主に有利という面がありましたが、東京23区内の賃貸マンションに関しては、それを防ぐために「定期借家契約」(前号の「住」のトレンドウォッチング①でくわしく解説しています)を結ぶケースが多く見られるようになったことがあります。

 一般的に賃貸物件は普通借家契約が多く、賃料を引き上げる場合は貸主、借主双方の合意が必要ですが、定期借家契約の場合は、契約期間が終わると、再度新しい条件で契約を結ぶ必要があるため、賃料についても変更しやすい利点があります。

 また、諸物価高騰の折、普通借家契約の物件でも貸主が強気に賃料を引き上げる動きがすでに始まっています。今まで賃料引き上げに躊躇していた貸主のマインドが、「賃料は引き上げられるものだ」というように変わりつつあるということです。

 とはいえ、もちろんどんどん上がるというわけではありません。あまりにも賃料が上がり過ぎてしまうと、借りられる人がいなくなってしまいます。今年1月の実質賃金は13カ月ぶりにプラスへと転じていますが、賃料は手取り賃金の4割を超えると限界といわれており、東京23区内のファミリータイプの賃料が月30万円だとすると、手取り賃金は月75万円の給与でちょうど4割となります。手取り75万円を超える給与を手にする世帯はそれほど多くないでしょうから、それを考えると、賃料の平均がどこまでも上がるということはないのではないかと考えられます。

 

 

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建築費上昇でニーズに変化 令和8年地価公示を読み解く
カテゴリ:業界ニュース  / 投稿日付:2026/05/29 09:02

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建築費上昇でニーズに変化 令和8年地価公示を読み解く

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国土交通省が3月に発表した令和8年地価公示では、全国の地価は全用途平均+2.8%となり、5年連続で上昇しました。継続的な地価上昇は、不動産市場が好調であることを示しています。

一方で、建築費上昇の影響が全国的に色濃く表れるなど、変調も見てとれます。地価公示の資料から、ニーズの変化を読み解きます。

 

地価公示とは何か?

 

 地価公示は、毎年1月1日時点の標準地の1㎡あたりの正常な価格を「公示価格」として国が公表する制度です。公示価格は「公示地価」とも呼ばれます。公示価格は、正常値を知る物差しとして、不動産取引の指標や公共事業用地価格の算定基準になっています。

令和8年は、全国約25,600地点の標準地を、約2,200人の不動産鑑定士(鑑定評価員)が評価し、公示価格が決定されました。

 正常な価格とは、売り急ぎ・買い急ぎといった特殊事情がないことを前提とした価格のことで、実際の取引価格とは異なります。たとえば都心部の非常に人気が高いエリアでは、取引価格が公示価格を大きく上回ることがあります。逆に、土地取引が少ないところでは、取引価格が公示価格を下回ってしまうこともあります。

 

各圏域の地価の動きを追う

 

 令和8年を含めた過去5年の地価公示の結果を図表1にまとめています。地価公示の全体像を知るには、三大都市圏の各都市圏の状況と、地方圏を構成する「地方4市」(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)および「地方その他」の概況をつかむ必要があります。それぞれ住宅地・商業地ごとの視点もあります。簡単に、令和8年のこれらの概況をまとめました。

 

図表1 


 

 

── 東京圏 ──

 

住宅地 東京23区のうち中心部の14区と、千葉県流山市、茨城県守谷市の合計16区市で10%超の高い地価上昇が見られました。東京都心では、高価格帯のマンションでも購入できる財力がある富裕層の強い需要が、住宅地の地価上昇のけん引役となっています。流山市と守谷市は、つくばエクスプレス(TX)沿線の高い住宅人気を受けての上昇です。

商業地 東京23区のうち中心部の18区と千葉県流山市、茨城県守谷市の合計20区市で地価は10%超の上昇を示しました。大型の再開発事業が進展するエリア、外国人観光客が増加しているエリア、利便性がきわめて高く商業と住宅(マンション)の需要が競合するエリアでの上昇が顕著です。

 

───大阪圏───

 

住宅地 10%超の上昇は、大阪市の浪速区と西区の2区。富裕層向けの高額物件の需要が強く、中心部の供給不足感から周辺エリアにも需要が波及し、地価が上昇した地点が多く見られました。大阪郊外部や、京都・兵庫・奈良の周辺各県でも、交通利便性が高い場所を中心に、広く昨年より上昇幅を拡大させるエリアが見られます。

商業地 大阪市内は中央区など10区、堺市の南区と北区、京都市の南区など5区が10%超の上昇を記録しました。大阪圏はなんといってもインバウンド観光客の活況が商業地の力強い上昇を支えています。

 

─── 名古屋圏 ───

 

住宅地 中心部の愛知県名古屋市内は全16区がプラスを維持しましたが、最も高い上昇を示した熱田区(6.3%、昨年8.4%)も含め、12区で昨年より上昇幅が縮小しました。10%超の上昇を示した市区は名古屋圏全体でゼロでした。住宅の需要は底堅いものの、建築費の上昇の影響で住宅の売れ行きが鈍っています。

商業地 名古屋市全16区中11区が上昇幅縮小、天白区は昨年と同じ3.9%、オフィス空室率が低下した中区など4区が上昇幅拡大となりました。上昇継続は基調としつつも、地価や建築費上昇が上昇幅縮小の要因となっています。

 

─── 地方4 市───

 

住宅地 4市ともプラスを維持したものの、札幌、仙台、福岡の3市で上昇幅が縮小しました。3市には、地価と建築費の上昇の影響が色濃く表れました。これらを要因とする住宅価格の高騰が買い控えを招き、住宅の売れ行きが鈍化しています。

商業地 インバウンド観光客の増加で中心部の店舗・ホテルは好調。地価上昇が継続するも、地価や建築費の上昇で再開発事業の遅れや計画見直しが発生。開発の慎重姿勢につながり、広島を除く3市で上昇幅が縮小しています。

 

─── 地方その他 ───

 

住宅地 全体としては前年から横ばいとなりましたが、局所的に、インバウンド人気が高い観光地(長野県白馬村など)、世界的な半導体メーカーの工場進出地(北海道千歳市や熊本県菊陽町・大津町・合志市)では住宅需要も強く、勢いのある地価上昇が継続しているエリアがあります。一部では、建築費上昇で価格が高騰したことから、住宅取得を控える動きが発生し、上昇幅が縮小するエリアも。

商業地 上昇幅は昨年より拡大。住宅地と同様、インバウンドが増加した観光地(岐阜県高山市、長野県白馬村など)や半導体メーカー進出地では、事務所・店舗・ホテルの需要が地価を上昇させています。

 

図表2 


 

 

 

図表3

 

 

 ここで、現在の地価上昇をもたらす要素を図表2にまとめました。上昇率の全国トップ10を見ると、特に上位ではインバウンド、半導体が強い要素であることがうかがえます(図表3)。

 全国・全用途平均の2.8%は、バブル崩壊後で最大の上昇率です。しかしひと言で「地価は全国的に上昇」といっても、東京・大阪の都市部は富裕層マネー、インバウンド需要で力強い上昇、名古屋および地方の地価上昇をけん引してきた地方4市は成長鈍化という特徴を内包するのが令和8年地価公示です。そして、鈍化というマイナス方向への圧力をもたらした要因が、建築費の上昇です。

 

網羅的資料「価格形成要因等の概要」

 

 国交省は、地価公示で毎年膨大な量の資料を公表します。その1つに、公示価格の決定を担う不動産鑑定士の都道府県の代表者が作成した「価格形成要因等の概要」があります。北海道~静岡県版、愛知県~沖縄県版の2分冊で、合計すると300ページ近くにもなる、都道府県ごとの詳細な地価動向の資料です。本稿では北海道~静岡県版を「東日本」、愛知県~沖縄県版を「西日本」と呼ぶことにします。

 「価格形成要因等の概要」の令和8年版と令和7年版を比べると、令和8年版では明らかに「建築費」への言及が増えました。単純に出現回数をカウントしただけでも、令和7年版は東日本23カ所+西日本39カ所=合計62カ所。令和8年版は東日本28カ所+西日本55カ所=合計83カ所に増えています。多くは「上昇」「高騰」といった言葉とともに用いられ、令和8年版からは、コスト圧力としていかに地価に影響を与えているかが伝わります。

 建築費の上昇は、住宅地では住宅価格の高騰によって需要の減退を発生させ、商業地では再開発プロジェクトの延期や見直しを招き、新規の不動産投資にも停滞をもたらしています。建物の建築費は、地価ほど劇的な地域差(価格差)はありません。土地・建物の総コストのうち建物のコスト比重は、土地の安い地方ほど重くなります。建築費の上昇が需要を減退させる、つまり地価の下落圧力となって表れるのは、大都市より地方部が先行することになります。「価格形成要因等の概要」で西日本のほうが「建築費」の言及回数が多いのは、東日本より郊外・地方の割合が高いためだと推察されます。

 

 

名古屋圏の鈍化が目立つ背景

 

 特に個人の実需が需要の中心となる住宅地は、建築費の上昇がすぐに需要減退に直結します。この特徴が最もわかりやすく出ているのが名古屋圏です。名古屋圏は、中心である名古屋市以外の構成都市の規模が、東京圏・大阪圏に比べ小さいという特徴があります。現在の地価上昇をもたらす大きな要因の1つ「インバウンド需要」も、東京・大阪に比べると弱いところがあります。そこへさらに建築費の上昇です。名古屋圏の住宅需要は、富裕層や投資マネーより、分厚い中間層が中心です。「価格形成要因等の概要」の愛知県の説明では、建築費上昇による住宅価格の高騰で「相対としては住宅の取得意欲に陰りが生じており、上昇率は鈍化している」と記載されています。

 地方の地価のけん引役だった地方4市も同様です。地方4市は、コロナ禍で全国的に地価がマイナスに陥った令和3年もプラスを維持していましたが、減速が見て取れます。広島駅の駅ビル開業や路面電車新ルートの開通による利便性の向上で住宅・商業とも昨年以上の上昇率となった広島市を除き、3市で上昇幅が縮小しました。3市いずれも建築費の上昇が地価の下落圧力となって作用したことが示されています。

 令和8年地価公示は、建築費を吸収できる大都市以外では、上昇幅の縮小が目立つ結果となりました。コロナ禍後の景気回復による「需要主導の上昇」だった令和7年から、令和8年はコストの負荷を背負っての「選別的な上昇」にシフトしたわけです。

 建設業界の人手不足による労務費の上昇は継続、資材高も終わりが見えず、今後の建築費に下落の要素は見当たりません。新築に依存する事業モデルはますます厳しい時代になるなかで、網羅的な地価の資料である令和8年の「価格形成要因等の概要」から、これからの不動産ビジネスを考えます。

 

地方で中古住宅のニーズ高まる

 

 住宅価格の高騰で、需要の変化が起きていることを示す記載が、地方部の住宅地に見受けられます。

 

「建物価格が大きく上昇しているため、土地建物の新築販売価格が値上がりしているほか、中古住宅の需要も高まっている」(秋田県住宅地)「建築資材や人件費の高騰による建築費の上昇により、建売住宅・注文住宅の価格が大幅に上昇しているため、予算超過となり、新築購入から中古物件へ需要転換するケースが増えているほか、割安感のあるエリアへのシフトもみられた」(岐阜県住宅地)「物価高や建築資材の高騰により新築物件を諦め中古物件を買う動きや土地価格を抑えるため中低価格帯や古い住宅団地などやや条件の劣る不動産にも需要が増えつつある」(長崎県住宅地)

令和8年地価公示「価格形成要因等の概要」より

 

 令和7年版には、地方部で「中古住宅の需要が高まる」という旨の記載はほとんどありませんでした。土地が安いため新築を建てることが選好される地方部で、中古住宅の需要が高まっているという報告は、これまで以上に仲介と再生が重視されていくという示唆に他なりません。中古住宅を仕入れリフォームして販売する買取再販は、「都市部×マンション」を主戦場とする事業ですが、ニーズの高まりで「地方×戸建て」のさらなる拡大が見込まれます。既存物件の用途変更や空き家管理といった中古住宅を核とする周辺ビジネスも、今後はより機会が増えるでしょう。

 高い上昇を続けるところとそうでないところ、二極化が進んでいることも地価公示では鮮明になりました。二極化は「大都市と地方」だけでなく、大都市の中、そして地方の中でも見られます。同じ市内でも、上がっているところとそうでないところが、これからよりはっきりしていくことでしょう。得意とする事業エリアのこうした変化を、敏感に見きわめる力が不動産業者には求められます。

 

「地縁取引」は最後の需要?

 

 

 人口減少が進む地方の過疎地域では、需要の減退により地価の下落に歯止めがかかっていない状況です。

 「価格形成要因等の概要」からは、地価の下落が目立つ過疎地域の取引に共通点があることが伝わります。

 

「需要者は当町に地縁、血縁関係を有する個人が大半」「従来より地縁的選好性が強く市場規模が小さい」「取引される事例も地縁者や隣地売買によるものが多く、さらに人口減少が進んでおり、地価は依然として下落傾向」

令和8年地価公示「価格形成要因等の概要」より

 

 過疎化した地域の最後の土地需要は、地縁取引が中心になると示されています。

 不動産業者の皆さまには、地縁すなわち地域の人々の繋がりを熟知し、地縁取引を安心・安全なものとしてサポートする役割が期待されるところです。また、地縁取引を最後の需要とせず、新たな需要を生み出し、まちに活力をもたらす提案力にも期待したいと思います。

 一方で、取引が少ない地域では、不動産業者が撤退しているのもまた事実。日本の1,747市区町村のうち、宅地建物取引業者の事務所がない自治体が235自治体あります(国交省調べ、令和8年1月時点)。宅建業者ゼロ自治体の多くは、地方部の自治体です。

 人々の不動産取引の安全・安心を支える取り組みが、過度な業者負担に依存するものではないよう、行政には地域の不動産業者が仕事をしやすい環境整備も求められます。

 

 

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本日は以上となります。

 

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2025年の新設住宅着工戸数は3年連続のマイナスに
カテゴリ:業界ニュース  / 投稿日付:2026/04/24 08:54

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2025年の新設住宅着工戸数は3年連続のマイナスに

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2026年1月30日に、2025年12月の新設住宅着工戸数が発表されました。これで2025(令和7)年中の数字がすべてそろったことになります。これまでの推移などとも比較しながら、新設住宅着工戸数の現状と今後について考えてみましょう。

 

減少が続く新設住宅着工戸数

 

 2025年4月に建築基準法の改正が行われ、「4号特例」(木造2階建てなどの小規模建築物において、建築士が設計する場合に構造審査などを簡略化する制度)が縮小されたり、原則としてすべての建築物を対象にして、省エネ基準適合が義務化されたりしました。

 そのため、改正前に駆け込み的な建築が行われ、3月の新設住宅着工戸数が大きく伸びた半面、4月以降は反動減になり、着工数が回復しないまま年末を迎えました。

 

図表1

 

 

 2025年中の新設住宅着工戸数は総計で74万667戸、前年比は3年連続の減少になりました。

 

図表2

 

2018年からの8年間を見ると、総計では実にマイナス21.40%の大幅減です。

 2008年までは年間100万戸以上をキープしてきましたが、2009年には100万戸を割り込み、それ以降100万戸台を回復していません。2020年には90万戸も割り込んで81万5,340戸に。さらに2024年には80万戸を割り込んで79万2,195戸まで減少しました。この減少ペースが続くと、早ければ2027年、遅くとも2030年には70万戸を割り込むと考えられます。

 

「貸家」はまだ健闘しているが…

 

 図表2の中身をもう少し細かく見てみましょう。

 所有している土地に家を建てる「持家」は、なんとか20万戸を維持しましたが、直近で前年比プラスとなった2021年比では約30%減で、1960年代前半の水準にまで落ち込みました。2026年には20万戸を切るのが確実視されています。

 持ち家が減少している背景は2つあります。第一に、建築資材や人件費の高騰で建築費用が上がっていること。同じ床面積でも建築費用が1.5倍以上になると売れにくいという傾向があります。ケースにもよりますが、注文住宅は富裕層しか建てられない状況と言ってもいいでしょう。

 第二は、現在の住宅購入層が戸建よりもマンションを求める傾向が強いこと。戸建はメンテナンスが大変なことに加え、こだわって造られた注文住宅ほど中古住宅として売り出したときに買い手がつかず、リセールが悪いという問題があり、昨今は敬遠されがちな傾向が出ています。

 地方ではまだ戸建神話がありますが、都市部においては戸建よりもマンションを好む傾向が顕著に見られ、ハウスメーカーや工務店は苦戦を強いられています。

 次に「貸家」ですが、直近では2023年以降、前年比減少が続いているものの、減少率が小さいことや、2021年比では微増であったことも考慮すると、そう悪くない状況です。

 建築費高の影響や適地不足の問題はあるものの、賃料の上昇期待もあって、個人だけでなく法人での賃貸住宅投資が進んでいます。また、西日本を中心として、旧耐震基準の建物で築50年以上を迎えるものが約100万戸に達するともいわれる2030年に向けて着工数が高まる可能性があり、当面、戸建のように大きく戸数が減る恐れはないと見られています。

 最後に「分譲住宅」ですが、分譲戸建ては郊外に建てられるケースが多く、近年、都市部以外でも地価が上昇していることや、建築費高の影響が出ており、ハウスメーカーが分譲戸建ての建築を抑制する傾向が見られます。

 一方、新設の分譲マンションは、供給戸数が歴史的な減少を見せています。都市部、地方の中心市街地ともに開発が一段落したことに加え、建築費高や適地不足が大きな問題になっています。そのため、マンション自体の需要は相変わらず高く、中古マンションを買う人は増えているものの、新設の分譲マンションについては今後も減少傾向をたどるでしょう。

 ちなみに、図表2には「給与住宅」という欄がありますが、これは企業や官公庁など自社の社員や職員を居住させる目的で建設する、社宅や官舎の総称で、必ずしも民間の需要を反映しないため、ここで数字を分析することはしません。

 

2026年も総数の減少は続くと予測できる

 

 以上、2025年の実数を踏まえたうえで、2026年の新設住宅着工戸数の予測ですが、総数は引き続き減少すると見ています。

 先の衆議院議員選挙では、自民党が圧勝する結果となりました。これにより、高市政権は国民からの信任を得たということで、さまざまな政策を打ち出してくるでしょうが、なかでも注目されるのが「積極財政」です。財政出動が行われれば、マネーサプライは増加し、インフレ圧力を強めます。

 その結果、建築資材が高騰するのと同時に、インフレ抑制のため、日銀が金融引締め気味の政策を打ち出してくることも考えられます。

 また建築費高のうち輸入資材の高騰は、為替相場が円高に振れれば多少なりとも軽減される可能性がある半面、構造的に上昇圧力の粘着性が高いと思われるのが人件費です。建築現場での働き手不足は慢性化しており、将来的に人件費は上がりこそすれども、下がる可能性はほぼ考えられません。

 とりわけ持家は、先ほども触れたように、もはや富裕層中心のマーケットになっており、富裕層のニーズをうまく取り込めたハウスメーカーは、売上の減少を食い止められているようですが、戸数そのものは今後も減少していくでしょう。20万戸を切ることになれば、大きなニュースになると思われます。

 

 

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本日は以上となります。

 

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すべての不動産所有者対象!住所等変更登記が4月から義務化
カテゴリ:業界ニュース  / 投稿日付:2026/03/27 08:52

浜松市中央区のセンチュリー21浜松不動産販売です。

 

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地価情報から法令改正、トレンドなど様々な情報を濃縮してご提供しますので是非ご参考にしてください。

 

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すべての不動産所有者対象!住所等変更登記が4月から義務化

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すべての不動産所有者を対象に、4月から「住所等変更登記の義務化」が始まります。引越しや結婚などで登記してある所有者の住所・氏名(法人は名称)に変更があった場合、2年以内に変更登記を行うことが義務付けられます。国民の負担軽減を目的に、便利な「スマート変更登記」も始まります。押さえておきたいポイントを解説しましょう。

 

所有者不明土地の発生防止へ

 

 近年、不動産登記簿だけでは所有者が判明しない、あるいは判明しても所有者に連絡がつかない「所有者不明土地」の増加が社会問題になっています。所有者の探索には、多くの時間と労力、費用がかかります。所有者不明土地は、公共事業や民間の土地取引・土地利活用を阻害する大きな要因であり、発生を未然に防ぐことが重要です。

 所有者不明土地は、相続の際に新たな所有者が登記を行わないことや、所有者が住所等の変更登記をしないことで発生します。発生を防ぐため、国は不動産登記制度を見直し、2024年4月に相続登記を義務化しました。2026年4月からの住所等変更登記の義務化は、これに続くものです。

 

施行日前の住所等変更も義務化対象

 

 2026年4月1日(施行日)から、不動産の登記名義人の住所等に変更があった場合、変更日から2年以内に「住所等変更登記」の申請を行うことが義務になります。これは施行日以前から不動産を所有している人も含めたすべての不動産の登記名義人(個人・法人)が対象です。

 注意しなければならないのは、施行日前の住所等変更も義務化の対象であるということです。施行日前に登記簿上の所有者情報が変わっていて、変更登記をしていない場合には、2年間の猶予期間が設けられました。2026年3月31日以前に住所等の変更があった登記名義人は、2028年3月31日までに住所等変更登記を行えば義務違反にはなりません。

 しかし、これは国民に大きな負担をかける義務化です。不動産所有者は引っ越したらその都度、登記手続きを強いられることになります。変更登記には登録免許税もかかります。税額は、不動産1物件につき1,000円。土地1物件と建物1物件であれば2,000円必要です。

 

便利な「検索用情報の申出」で義務履行

 

 そこで政府は国民の負担軽減のため、あらかじめ検索用情報と呼ばれる項目を法務局に届け出ておけば、住所等変更登記の義務を履行したものとして扱う「検索用情報の申出」という仕組みを新設しました。検索用情報を得た法務局は、定期的に住基ネット(法人は商業・法人登記システム)に照会。住所等の変更を把握したら、法務局の登記官が職権で変更登記を行います。法務局が職権で住所等変更登記を行うこのサービスを所管の法務省は「スマート変更登記」と名付けました。

 スマート変更登記を利用するには、「検索用情報の申出」が必要となります。ここでいう検索用情報とは、住基ネットへの照会で必要になる情報(連絡用の⑤除く)で、具体的には以下の項目です。

 

図表1

 

 

 法人の場合は、会社法人等番号の登記をすればスマート変更登記が利用可能です。スマート変更登記は、個人の場合は法務局が変更を把握した後、本人の了解を得て行われます。法人は変更が確認されたときに行われます。登記名義人は、一度「検索用情報の申出」を行っておけば、住所等の変更のたび変更登記を行わなくてもよくなります。また、スマート変更登記は登録免許税非課税。無料で利用できる便利なサービスです。

 

図表2

 

 

「申出」はすでに始まっている

 

 「検索用情報の申出」は2025年4月21日から受付が始まっています。法務省の「Webブラウザから、かんたん登記・供託申請」のサイトからオンラインで行う方法と、書面を法務局に提出する方法があります。オンライン申出、書面申出ともに費用はかかりません(書面郵送は要送料)。2025年4月21日以降は、登記申請書に検索用情報の欄が設けられ、新たに不動産所有者となる人は登記と同時に「検索用情報の申出」ができるようになりました。

 海外に居住する個人や、会社法人等番号のない法人は、スマート変更登記を利用することができません。これは、法務局側で住所等の変更を確認することができないためです。海外居住者・会社法人等番号のない法人は、住所等に変更があったときは、変更登記の申請を行うことが必要です。

 

住基ネット照会は2年に1回以上

 

 2026年4月以降に行われる検索用情報の住基ネットへの照会は、義務の履行期限も踏まえ、2年に1回以上の頻度で実施されます。照会により住基ネットと登記簿の情報が違っていると、登記名義人にスマート変更登記の了解をとるため連絡が行きます。最初の照会がいつ頃行われるかなど、具体的なスケジュールは4月以降に法務省ホームページで情報提供される予定です。法人は、商業・法人登記システムからの変更の通知を受ける都度、すみやかに職権による変更登記を行うことが想定されています。

 住基ネット照会は2年に1回以上の程度ですから、検索用情報の申出を行ったとしても、スマート変更登記はすぐには行われない可能性があります。もし急ぎで登記簿情報を最新の正しい情報に変更したい場合は、従来の登録免許税を納めて申請する住所等変更登記を行います。

 

義務違反には5万円以下の過料の罰則

 

 正当な理由なく住所等変更登記の義務を怠ると、5万円以下の過料が適用されるおそれがあります。「正当な理由」と認められるのは、

①検索用情報の申出または会社法人等番号の登記がされているが、職権による住所等変更登記の手続がされていない

②行政区画の変更等による住所変更

③重病等

④DV被害者等で避難を余儀なくされている

⑤経済的に困窮

のいずれかとなっています。

 

国民周知が課題、宅建業者に期待

 

 すべての不動産オーナーに関わる重要な登記制度の改正です。義務化スタートが迫りますが、2025年12月に法務省が公表した調査結果では、国民への浸透がいまひとつ。相続登記の義務化を知っている人の割合は72%だったのに対し、住所等変更登記の義務化を知っている人は31%、登記官による職権での住所等変更登記(スマート変更登記)を知っている人は21%でした。法務省はPR動画を公開するなど、周知の強化を図っています。多くの地域の不動産オーナーとつながりのある宅地建物取引業者からの情報提供には、法務省も期待しているところです。

 

 

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金利上昇が不動産ビジネスに及ぼす影響とは?
カテゴリ:業界ニュース  / 投稿日付:2026/03/01 08:54

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金利上昇が不動産ビジネスに及ぼす影響とは?

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高市政権が誕生してから、長期金利(ここでは10年物国債の利回りを長期金利としています)が目に見えて上昇してきました。その動きが不動産ビジネスに及ぼす影響について考えてみましょう。

 

長く低金利が続いてきたが…

 

 これまでの日本の金利をめぐる動きを振り返ると、2016年から始まった日銀のイールドカーブ・コントロールという施策(長短金利操作とも呼ばれ、長期金利と短期金利の誘導目標を操作し適切な水準に維持する施策)によって、長期金利は2022年まで0.25%を上限に抑えられていました。

 しかし、この施策は徐々に修正され、段階的に金利の上限は引き上げられていき、2024年3月にはとうとう施策そのものが撤廃されました。

 それによって長期金利は上昇し、2024年7月には1%を超え、2025年に入って1.1%の水準から上げ足を速め、2025年12月17日時点では2%近くでの推移となっています。

 

長期金利は固定金利型ローンに影響する

 

 金利の上昇は、不動産市況に影響を及ぼします。なぜなら、個人が戸建やマンションを購入する際の資金調達コストを引き上げるからです。

 住宅ローンは変動金利型と固定金利型に分かれ、また固定金利型のなかでも、全期間固定金利型と、固定金利期間選択型に分かれています。長期金利の上昇によって影響が懸念されるのは、固定金利型の住宅ローンです。

 固定金利型住宅ローンは、長期金利の変動によって、新規で申し込む住宅購入者の適用利率が見直されるからです。

 もちろん、すでに返済中の人であれば全期間固定金利なら返済が終了するまで、固定金利期間選択型であれば選択した期間が終了するまで、その間にどれだけ金利が上昇しても返済負担は重くなりません。

 しかし新規で申し込む場合、長期金利が上昇する前に申し込んだ人に比べて返済負担が重くなるため、新規の住宅購入が抑制される恐れがあり、これが不動産価格の下落につながる可能性があります。

 

短期金利は変動金利型ローンに影響する

 

 一方、変動金利型ローンについては、長期金利が上昇しても適用利率の見直しは行われず、短期金利を適用利率見直しの指標としていますが、こちらについても上昇傾向にあります。短期金利の指標は政策金利、つまり無担保コール翌日物金利になります。これまで日本においてはマイナス金利政策により、政策金利をマイナス、もしくは0%付近にする政策が取られてきました。それが2024年3月には0~0.10%程度に、さらに2025年1月には0.50%にその誘導目標を引き上げてきたのです。

 短期金利が上昇すると、変動金利型住宅ローンで借り入れようと考えていた人たちは、今後の金利上昇リスクを懸念し、住宅購入を見送りがちになります。また、すでに変動金利型でローンを組んでいる人は、金利の見直しによって総返済額が増えることになります。金利が変動しても5年間は毎月の返済額が変わらない「5年ルール」や、大幅に金利が上昇した場合でも前回の返済額の1.25倍(125%)を上限とする「125%ルール」が存在しますが、総返済額が増えたり、月々の返済額が増えることは間違いありません。

 現時点では、まだ短期金利が大幅に上昇する気配はありませんが、そう遠くない将来に短期金利の上昇が顕著になってくれば、変動金利型住宅ローンを組んでいる人たちのなかに返済難に陥る人が続出し、購入した家を売らなくてはならない人や、競売にかけられる物件が増えるかもしれません。

 そうなると、買いたい人よりも、物件があまってしまう可能性も出てきて、不動産の需要需給の観点からしても、金利上昇は不動産市況にとってネガティブ要因になってしまいます。金利上昇は預金金利が上がるなど、悪いことばかりではありませんが、やはり注意して今後の推移を見守らなければならないでしょう。

 

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本日は以上となります。

 

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2026年の不動産市況は金利の上昇と円安で警戒モードに
カテゴリ:業界ニュース  / 投稿日付:2026/01/30 08:57

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2026年の不動産市況は金利の上昇と円安で警戒モードに

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2025年の不動産市況は、人手不足や原材料費高騰を背景にした建築費の上昇や、適地不足による新築マンションの供給不足などがありましたが、まずまず好調を維持しました。では、2026年の不動産市況はどのようになるか予想してみましょう。

 

高市政権の政策は不動産市況には逆風!?

 

 結論からいえば、2026年の不動産市況については、やや警戒感を持って見ています。なぜなら、長期金利の上昇と円安という、2つの懸念材料があるからです。

 まず長期金利ですが、高市政権が誕生して以降、その積極財政に対する懸念から、2025年11月には長期金利が1.8%の水準にまで上昇してきました。2025年の年初が1.1%前後だったことからすると、この11カ月間で0.7%上昇したことになります(図表1)。

 長期金利の上昇は、収益不動産の動向に影響を及ぼします。

 不動産の収益性を示す指標の一つに還元利回りがあります。これは、年間純収益(家賃収入から経費を差し引いたもの)を不動産価格で割ったもので、還元利回りが高いほど、その不動産の収益性が高いと判断できます。ただし個別性の強い不動産では、それぞれの適正な還元利回りを算出することは難しいため、目安として相場等を熟知しているプロの投資家が期待する還元利回り=期待利回り(キャップレート)が用いられることが一般的です。

 現在、東京都の城南地区の賃貸住宅の期待利回りは3%半ば前後です(図表2)。ここでは仮に3.5%としましょう。対して長期金利が1.8%だとすると、その引き算から求められるリスクプレミアムは1.7%になります。不動産はリスク商品なので、その分だけ長期金利に対してプレミアムが乗せられるのですが、それが1.7%というのは、まさに空前の低水準です。

 本来、賃料が上がれば、年間純収益を物件価格で割って求められる還元利回りは上昇します。しかし現状は、賃料とともに物件価格も上昇しているため、還元利回りの上昇が抑制されている状況にあります。

 では、この先の賃料はどうなるのかを考えると、そろそろ天井を打つ可能性が高まってきています。なぜなら、普通の給与所得者の家賃は、実質賃金によって決まるからです。その実質賃金が、10月まで9カ月連続でマイナスですから、早晩、家賃の引き上げは困難な局面を迎えるでしょう。そのなかで物件価格が上昇すれば、還元利回りは低下を余儀なくされます。

 加えて、長期金利はこの先、さらに上昇するはずです。高市政権は18兆円超の補正予算を組んでいますし、30年物国債利回りは3.5%に達しているからです。

 還元利回りが低下する一方で、長期金利が上昇すれば、不動産投資のリスクプレミアムはさらに低下していきます。そうなったとき、投資している資金の流れがどう変わるのかは非常に重要です。おそらく、これ以上の賃料引き上げは困難な地域、言い方を変えると、普通に家賃を払って住んでいる給与所得者が多い地域においては、不動産価格が下落するリスクが高まると見ています。

 

図表1

 

図表2 

 

円安で建築コストがさらに上昇する懸念

 

 次に円安の影響について考えてみましょう。2025年1月には1ドル=158円台という円安水準があり、そこから139円台まで円高が進んだものの、徐々に円安圧力が強まり、特に高市政権が樹立されて以降、円安に弾みがつきました。このままだと1ドル=160円が定着しそうな勢いです。

 円安が続くと、海外からの輸入原材料費が上昇します。それに加えて、円の価値が下がってしまうので、外国人労働者の流入も落ちていくでしょう。現在、建設現場では数多くの外国人労働者が働いていますが、円安が続くと、外国人労働者が円建てで受け取った賃金を母国通貨に換算したときの手取り収入が目減りしてしまいます。その結果、日本で働くことのメリットが減り、日本の建設現場で労働者不足がさらに進んで、賃金の上昇につながる恐れが生じてきます。

 このように、円安は輸入原材料と賃金の高騰を引き起こし、建設現場を直撃します。結果として、工事費全体が押し上げられ、新築マンションや新築戸建ての価格が上昇します。場合によっては、さらに新設住宅着工戸数が今後、減少していくことも考えられます。

 もちろん、長期金利の上昇と円安はマーケットの要因なので、先の見通しについて不透明な点があることには、留意しておく必要があります。

 

シニア向けの好調など長期的なトレンドは継続

 

 長期金利の上昇と円安の他にも、不動産市況にとってネガティブな要因があります。それは日本の不動産に対する外国人の購入規制が強化される可能性があることです。この規制強化が進めば、2026年から2027年にかけて、国内不動産全般に下落圧力が強まる恐れがあるので、そのゆくえにも注視しておく必要があるでしょう。

 このように、2026年の不動産市況はややネガティブではあるのですが、好調が続くと予想されるマーケットが、シニアマーケットです。超高齢社会が進むというのは長期的なトレンドですから、お金と時間を持ち合わせているシニア層が、より快適に暮らしを楽しめる終の住処を求める動きは、これからも続くと思われます。したがって、シニアに優しい、シニアが暮らしやすいマンションなどはこれからも伸びていくでしょうし、一部の別荘などリゾート物件も堅調な推移が続くのではないかと予想されます。

 

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2025年都道府県地価(基準地価)は地方圏の上昇が鮮明化
カテゴリ:業界ニュース  / 投稿日付:2025/12/26 09:02

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2025年都道府県地価(基準地価)は地方圏の上昇が鮮明化

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基準地価のほうが全体の傾向が見えやすい

 

 「都道府県地価」は全国2万1,441地点ある「基準地」の、その年の7月1日時点の地価を調査したものであることから、「基準地価」とも呼ばれています。

 都道府県地価調査は、1月1日を価格時点として毎年3月に発表される「地価公示」と、調査時期や調査地点で相互補完の関係にありますが、調査地は地価公示に比べて、市街地以外も含めておおむね満遍なくカバーされており、全体の地価の傾向が見えやすい特性を持っています。

 まず、全国平均の状況を見ると、全用途平均、住宅地、商業地のいずれもが、4年連続で上昇し、昨年を上回る上昇幅となりました(図表1)。2022年から2025年までの上昇幅推移は、全用途平均が0.3%→1.0 % →1.4 % →1.5 %、住宅地が0.1 % →0.7 %→0.9 % →1.0 %、商業地が0.5 % →1.5 % →2.4 %→2.8%、工業地が1.7%→2.6%→3.4%→3.4%でした。

 また、3大都市圏や地方圏の状況を見ると、おおまかに以下のような4つのポイントが見えてきました。これらが2025年都道府県地価調査の特徴だといえるでしょう。

 

図表1

 

 

図表2

 

 

「その他地方圏」が30年ぶりにプラスへ

 

 第一に、東京圏、大阪圏、名古屋圏という3大都市圏の状況ですが、全用途平均、住宅地、商業地、工業地のいずれについても、東京圏と大阪圏は上昇幅が拡大したものの、名古屋圏は上昇幅が昨年よりもどれも縮小しました。人口流出に加え、東京圏や大阪圏に比べてインバウンド需要が低いのが原因と考えられます。

 第二に、地方圏における「その他地方圏」の住宅地が30年ぶりにマイナス圏から脱却したことです。

 地方圏は札幌市、仙台市、広島市、福岡市という「地方4市」と、地方4市を除く「その他地方圏」に分かれます。このうち「その他地方圏」は、2024年に比べて±0.0%となりました。つまり「前年比変わらず」ということですが、マイナス圏から脱したのは、なんと30年ぶりのことです。ちなみに2021年から2025年までの前年比は、-0.8%→-0.5%→-0.2%→-0.1%→±0.0%、なので、過去5年を見ても順調に回復していることが見て取れます。

 実は、地価公示では2年前から、「その他地方」がプラスになっていたのですが、調査地点を満遍なくカバーしている基準地価もマイナス圏を脱してきたということは、それだけ広く地方全域に地価上昇の動きが見られることを意味しています。

 第三は、地方4市の地価公示の上がり加減が若干、落ちてきたことです。地方4市は過去10年ほど順調に上がってきましたが、札幌市や福岡市の再開発、それに若干遅れて進められてきた広島の再開発も一段落したこともあり、上昇率が鈍ってきました。

 たとえば福岡市の住宅地は2023年が8.2%、2024年が9.5%だったのが、2025年は7.2%にスローダウンしています(図表2)。また札幌市の住宅地は、昨年から上昇率に急ブレーキがかかり、2023年の12.5%から2024年は3.6%、さらに2025年は1.4%となりました。ちなみに札幌市は、その周辺地区の上昇ペースも大きく落ちています。

 そして第四は、リゾート地の上昇が顕著であることです。リゾート地といえば北海道のニセコ、長野県の白馬の地価が、インバウンド人気で大きく上昇したことが知られていますが、それに続く流れとして、北海道の住宅地の上昇率1位は富良野でした(図表3)。前年比変動率はプラス27.1%です。

 

図表3

 

 

リゾートおよびその周辺地域への注目は続く

 

 それ以外にも、ここに取り上げた図表にはありませんが、軽井沢や那須といった日本人なら誰でも知っているような高級リゾート地のほか、千葉県の九十九里、福岡県の糸島、沖縄県の宮古島などマリーンリゾートが楽しめる地域、あるいはスノーリゾートとして、長野県の斑尾、新潟県の赤倉なども人気を集めており、地価の上昇につながっています。

 この傾向はおそらく当分、止まらないのではないかと思われます。それもインバウンド需要というよりは、日本人から見て第二の軽井沢、第二の那須といったイメージを想起させるリゾート地が注目を集めているようです。これらの動きはもともとコロナ禍の時期に、富裕層の一部が二拠点生活、三拠点生活を求めて、大都市圏以外にセカンドハウスを求めた流れが広まってきた結果ではないかと見ています。

 加えて最近は別荘のシェア、あるいはリゾート会員権など、より手軽に多拠点生活を楽しめる方法が増えてきていることも、リゾート地の地価上昇を引き起こしています。そして、こうした動きが地方4市ではなく、「その他地方」の地価上昇を引き起こしていると考えられるのです。

 2025年の都道府県地価調査では、これまでなんとなく「地方のリゾートが注目されているようだ」といった半信半疑の予測が、地価というデータによって明確化されたともいえます。2026年、2027年も引き続き、地方リゾートへの資金流入、地価大幅上昇は続くと見ています。

 

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金利上昇、不動産価格高騰を受けて「買い時感」に気迷い?「2025年住宅居住白書」から住まいの現状
カテゴリ:業界ニュース  / 投稿日付:2025/11/29 08:52

浜松市中央区のセンチュリー21浜松不動産販売です。

 

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地価情報から法令改正、トレンドなど様々な情報を濃縮してご提供しますので是非ご参考にしてください。

 

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金利上昇、不動産価格高騰を受けて「買い時感」に気迷い?「2025年住宅居住白書」から住まいの現状

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「買い時だと思う」は微増に留まる

 

 異常気象によって多発する水害や土砂崩れなどの自然災害、そしてインフレによる物件価格の高騰と金利上昇によって、不動産の買い時感にも微妙な変化が生じてきているようだ。

 過去の調査を見ると、2022年に「買い時だと思う」の回答が大きく落ち込み、調査を開始した2003年以来、過去最低水準の10.5%となった。コロナ禍の影響からか「不動産価格が下落しそう」、「収入が不安定または減少している」など、社会不安を背景にして買い時だと思わないと答える人が多くを占めた。

 しかし、2023年以降はコロナ禍が明けて社会不安が沈静化し、同時にインフレによる物価高騰、名目賃金の引き上げ、そして金利上昇の動きが顕在化したことにより、不動産の買い意欲にも変化が現れてきている。2025年調査では、「買い時だと思う」という回答比が20.8%となり、3年連続の上昇となった(図表1)。

 その一方で、「買い時だと思わない」の回答は2年連続で低下して34.7%に。また、「わからない」という回答は3年連続の低下で44.5%となった。

 傾向を見れば、「買い時だと思う」が上昇し、その他は下降しているとはいえ、絶対水準からすれば44.5%が「わからない」と答えている。これは気迷い感の現れだといえるだろう。

 

図表1

 

 

高齢層を中心にハザードマップへの関心は増加傾向

 

 近年、深刻化している天災に対する意識については毎年、「築年数や構造について考えるようになった」、「緊急避難場所や防災ハザードマップを意識するようになった」、「地盤などの状況を意識するようになった」が上位3位を占めているが、今年は「緊急避難場所や防災ハザードマップを意識するようになった」が1位に浮上した(図表2-1)。

 ただ、「ハザードマップを知っている」割合は79.6%だが、このうち「住んでいる地域のハザードマップを見たことがある」は54.1%で、「知っているけれども見たことがない」は25.5%だった(図表2-2)。

 過去を見れば、2022年調査において「住んでいる地域のハザードマップを見たことがある」は41.4%だったので、徐々に認知度、利用度は上がっているが、自然災害が年々問題化しているだけに、この部分の意識向上はぜひとも図りたいところだ。

 

空き家問題と省エネ性能表示制度

 

 近年、関心の高い空き家問題については、どうだろうか。今年の回答は図表3-1のとおりだが、「既に空き家になっている」は、空き家についてのアンケートを始めた2022年から毎年増えており、2022年には6.1%、2023年は8.2%、2024年は10.0%と増え続け、2025年には11.9%となり、4年間で実に5.8%の増加という結果になった(図表3-2)。このアンケート結果からは、確実に空き家が増えていることが推測される。

 また、「将来空き家になる可能性がある」は、昨年の27.5%から2.5ポイント下がって25.1%になっているが、「既に空き家になっている」が昨年から1.9ポイント増えているので、かなり相殺されており、決して空き家問題が解消し始めていると楽観できるわけではないだろう。

 ただ、「わからない」の答えは、2022年には28.5%あったのが、今年は13.6%と4年前から半減している。空き家問題に対して、消費者の関心が非常に高まっていることの現れといえるだろう。

 2024年4月から始まった省エネ性能表示制度については、「全く知らなかった」が46.1%と半分近くの回答となった(図表4)。制度が開始されてから1年以上たつが、まだまだこの制度を知らない消費者が多いということであり、今後いっそうの認知度アップを図る必要が望まれる。

 一方で、「住まい選びの参考にしたい」という人も合計で21.5%いるので、この制度の認知度が高まっていけば、大いに消費者の住まい選びに役立っていくのではないだろうか。

 

図表3

 

 

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全体的な上昇傾向の定着とリゾート地の上昇が目立つ2025年の路線価
カテゴリ:業界ニュース  / 投稿日付:2025/10/31 08:54

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地価情報から法令改正、トレンドなど様々な情報を濃縮してご提供しますので是非ご参考にしてください。

 

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全体的な上昇傾向の定着とリゾート地の上昇が目立つ2025年の路線価

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相続税や贈与税などの財産評価の基準となる「路線価」の令和7年分が、7月1日に国税庁から発表されました。このデータの持つ意味と不動産業界に与える影響について考えてみましょう。

 

「地価」にはいろいろな種類のものがある

 

 「路線価」とは、その年の1月1日時点で道路に面している土地1㎡あたりの単価です。「地価」にはこれ以外にも、国土交通省が1月1日時点における標準地1㎡あたりの価格を3月下旬に発表する「公示地価」と、各都道府県が7月1日時点における基準地1㎡あたりの価格を9月下旬に発表する「基準地価」があります。つまり公示地価と路線価が1月1日時点で、基準地価は7月1日時点の土地の値段を示すことになります。

 また路線価は、一般的には「相続税路線価」を指すことが多く、相続税や贈与税を計算するときの基準になりますが、もう1つ固定資産税を計算するときの基準となる「固定資産税路線価」もあります。固定資産税路線価は、固定資産税や都市計画税、登録免許税、不動産取得税を計算する根拠となる固定資産税評価額を求めるためのものです。

 この2つは同じ「路線価」を名乗っているとはいえかなり違っていて、たとえば相続税路線価が毎年発表されるのに対し、固定資産税路線価は3年に1回の発表です。また価格水準も、相続税路線価は公示地価の8割を目安にするのに対し、固定資産税路線価は公示地価の7割を目安にして算出されます。

 このように、地価にはさまざまな種類があり、それぞれに利用目的があります。

 ところが、実際に土地を売買する際には、これら以外の「実勢価格」が用いられます。というのも、それぞれの土地は、その時々の需給関係や、土地の条件などさまざまな理由で価格が決められるからです。

 そのため、実勢価格では、相続税や贈与税、固定資産税などを算出する際に不都合が生じるので、国が基準をつくっているわけです。

 ちなみに路線価は全国約32万地点の民有地の宅地、田、畑、山林などを対象にしていますが、ここで言う「宅地」は、住宅地、商業地、工業地といった用途別に分けられておらず、建物の敷地となる土地すべてが「宅地」に含まれます。公示地価のように、用途別の土地には分けられていないことに注意が必要です。

 

図表1


 

 

2010年以降で最高の上昇率に

 

 では、今年の路線価はどうだったのでしょうか。

 まず全国で見ると2025年は前年比2.7%の上昇となりました(図表1)。2022年の0.5%、2023年の1.5%、2024年の2.3%に続いて4年連続の上昇です。かつ上昇率も年々拡大しており、2025年の上昇率は、2010年以降で最高になりました。

 都道府県別に見ると、上昇率の高い順に、東京都の8.1%、沖縄県の6.3%、福岡県の6.0%、続いて神奈川県・宮城県・大阪府が4.4%で同率でした。沖縄県は別にしても、基本的には大都市圏を持つ都府県の地価上昇が目立ちます。人口の流れから考えれば、それも当然といったところでしょうか。また沖縄県は観光需要の高まりもあるのか、調査地点の平均は11年連続の上昇でした。

 一方、前年比がマイナスになったのは奈良県、和歌山県など12県です。このなかに石川県は含まれていませんが、2024年1月に発生した能登半島地震の影響で、輪島市河井町にある朝市通りの路線価は、前年比マイナス16.7%と全国最大の下落率となってしまいました。

 

図表2

 

リゾート地の上昇が目立つ

 

 地点別に見ると、全国で最も高額だったのは、東京都中央区銀座5丁目「銀座中央通り」、いわゆる鳩居堂前で、1㎡あたり4,808万円でした(図表2)。前年比こそ8.7%の上昇率で、それほど高い上昇率ではありませんでしたが、この場所は過去40年連続で最も地価が高いところで、年々最高値を更新し続けています。

 今年の路線価のもう1つの特徴は、観光地やリゾート地の上昇です。最も上昇率が高かった地点の上位5位を見ると、1位が長野県白馬村、2位が北海道富良野市、3位が東京都台東区浅草、4位が岐阜県高山市、5位が東京都足立区千住(北千住)でした(図表3)。

 

図表3


 

 上位5地点の顔ぶれを見ると、1位から4位までは明らかにインバウンドを中心とする観光需要の高まりによるものです。5位の北千住はやや異色ですが、再開発や大学誘致が評価されたという意見もあります。

 このように年々、土地の値段が上昇するのは、不動産を保有している人にとっては自身の資産価値が増えるので歓迎したいところですが、当然ながらその一方で、相続税や贈与税などの税金も増えるため、痛しかゆしといったところでしょう。

 ただ、消費者の不動産売買を仲介する不動産事業者にとっては、消費者が保有する土地の相続についての相続対策ビジネスなどを手広く展開することで、自社の事業の付加価値を大いに高めるチャンスになるかもしれませんので、今後も引き続き、注目が必要です。

 

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本日は以上となります。

 

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